7月の連休を利用して、鹿島槍ヶ岳へ登ってきました。

八方から見た美しい双耳峰の鹿島槍
今年のゴールデンウィークに山頂で無くなった友人に逢いに…
そしてこの山行きは、彼女の事を私よりずっと以前から良く知る、みかんさん、maririnさんのお二人と同行することができた、とても心強い嬉しい旅となりました。
* 7月15日 *
夜9時に神戸を出発。
夜中の三時前に登山口のある扇沢に到着。
連休を立山方面や鹿島槍方面に登る登山者の車や、黒部ダムへの観光客の車で一杯です。
お二人はテントをササッと設営して仮眠。
私たちも車で仮眠を取り、7時から登山開始予定です。
私は色々な思いが次々と巡って、ただ眼をつぶっているだけで、
結局あまり寝れませんでした。

扇沢駐車場から
* 7月16日 *
7時ごろ出発。
ほとんどの登山者は出発をしていてました。
扇沢駐車場から10分ほど下がった所にある、柏原新道入口から
鹿島槍へ向けて登り始めます。
柏原新道は現オーナーの柏原正泰さん(二代目)が昭和30年代後半から昭和41年頃にかけて自らツルハシやスッコプを手に持ち、独力で開けた登山道だそうです。
下山途中ではお孫さんらしき方と、木の階段を整備されておられました。
これから、地図上では四時間の登りの予定。
取り付きのモミジ坂と呼ばれる急坂を登ります。
樹木が茂り風が通らないので暑く汗がでますが、ケルンを過ぎたあたりから登山道の脇にお花が沢山咲いて、花撮影をしながら登ったのでそれが休息代わりとなり順調に高度を上げて行くことが出来ました。

登山道脇には、ずっとゴゼンタチバナが沢山。

今回一番見たかったシラネアオイ。
なんと、下山時はほとんど散っていたのです。

もうひとつ見たかった、キヌガサソウ
次第に景色も開けて見え、中間部からは傾斜が緩み、ほぼ一定の斜度で高度があがることができる良く整備され、また整備の苦労がうかがえる登山道ですした。

順調に登って来れましたが、途中からみかんさんが眠たくなってきたと…
軽く高山病の兆候が出来てたようですが、ご本人は対処仕方をよく御存じなので、足を止めずにゆっくり確実に登って行かれます。
扇沢源頭のガレ場を横切り、灌木帯を登ると、森林限界に入りました。
山を下る方に励まされ、お花畑の最後の急坂を登ると、後立山連峰の稜線に達し、種池山荘に到着しました。

登山口から、四時間掛り、11時到着。
種池山荘からは素晴らしい展望抜群だそうですが、残念ながらガスがでて周りの山並みを見る事が出来ませんでした。 その代わり、涼しくて体力の消耗せず助かりましたが…
ここのテーブルで昼食。 あ~~、山でのカップ麺は美味しい!!
さて、今夜の宿泊の山小屋 冷池小屋へ向かいます。

ところが、歩きだすと、今度は私が頭がボ~~としてきて、なんだか眠くなってきました。
血流が胃の物の消化に取られ、私もすこし高山病の兆候が出てきたようです…
時々、ふ~~っと気が抜けそうな時がありましたが、みかんさんを見習って確実に少しずつ前へ進んで行くことにします。
みかんさんは逆にお昼ごはんを食べて少し元気になってきた様子。
爺ヶ岳を目指してハイマツの伸びやかな稜線を登りますが、この時の私には辛くて深く呼吸をしながら登り、かがんで花を写すと息が切れ、整えるのがしんどいので、足元の花の写真もあまり写さずにひたすら前へ歩いていきます。

爺ヶ岳の南峰に到着、その後の中央峰はトラバースして先へ向かいましたが、中央峰が爺ヶ岳の最高点だったそうです。

道標の向こうに見えるのが、爺ヶ岳中央峰
最後の北峰から下りには、咲きだしたばかりの可憐なコマクサが咲いていて、健気に咲く花に元気を貰いました。

登山道には時々ライチョウの冬の白い羽が落ちていますが、連休で人が多いと今回は姿を見せてくれそうもありません。

この付近から、長野県側の斜面は鋭く切れ落ちていて、逆の富山県側はなだらかに続いている様子ですが、ガスがたくさん立ち込めてはっきりとは確認でず、ときどき、ぼんやりと剣岳が見えますが、すぐに見えなくなる。
鹿島槍もまったく姿を現してくれません…

明日は山の姿を見る事が出来るのかな…
山に登って来たのだから、やはり雄大な山姿を見たいなぁ…
爺ヶ岳の北稜をどんどん下ると、赤岩尾根コースが分岐する
冷乗越。

再び、オオシラビソの樹林帯を登ると冷池山荘に午後2時過ぎに到着しました。
受付を済ませ、荷物を置き、やっと生ビールで乾杯。 美味しい。
嬉しい事に、夕方には鹿島槍も姿を見る事ができ、山小屋の方が明日は午前中には山頂からの展望は必ず良いからと!
明日へ期待が膨らみます。
消灯前に小屋の御主人にあの日のお話も聞く事ができ、そして友人としてお礼を言う事ができ、気持も落ち着き、消灯の9時過ぎにはぐっすり眠りにつくことが出来ました。
* 7月17日 *
2時半頃に一旦目が覚めてるとそろそろ登山の準備を始める人の気配。
4時前まで布団の中でウトウトして、トイレに立つと、廊下は身支度を整えた人でいっぱいでした。 山の朝は早い。
小屋のテラスに出ると、空が明るくなってきています。

まだ日の出まで少し時間がありますが、刻々と変わる様子を皆が目を凝らして見ています。

お日様、今日も私たちが下山するまでしっかり登山道を照らして下さい、宜しくお願い致します。
立山、剱岳


5時からの朝食後直ぐに登り始めます。
昨日早く小屋に着けたお陰で、食事の待ち時間が無しで、すべて早く支度に掛れました。
テント場近くからの冷池小屋が見えます。 遠い~~!

雪がまだ残る稜線は、早春の花から初夏の花まで咲くお花畑。

鹿島槍が随分近くに見えてきました。
ジグザグと登る鹿島槍の前衛峰・布引山への登山道は両側の斜面が、ハクサンイチゲ、ミヤマキンポウゲ、シナノキンバイの絨毯となった美しい初夏の登山道。

そして、たくさんの登山者でとっても賑やか。
重たいザックは山荘に預けてきて、一晩寝て高度に順応出来たので足取りも軽く登って行けます。

高度があがると、周りの山の展望も良くなり隠れていた、穂高や槍も見えてきます。
素晴らしい天気に恵まれ、素晴らしい展望。

布引山山頂。 あともうひと登りで鹿島槍南峰。
涙が流れてきます。
やっと登れた。 やっと逢いに来きてお別れが言える…
彼女が三日間横たわっていた場所を撫ぜながら「会いに来たよ」と話しかけ、最後に触れた道標に、4人とも手を添えて写真を撮りました。
晴れた山頂からの眺めは360度素晴らしく、沢山の登山者の笑顔であふれていて、すこしホッとしました。

去年の夏の終わりに彼女が一人で歩いた、
吊尾根から鹿島槍北峰~キレット小屋~五竜岳~白馬方面

手前は私たちが二日間歩いた尾根道と、
蓮華岳の向こうに槍ヶ岳、穂高岳

剱岳、立山

あの時は、きっと真っ白な世界で何も展望が無かったのでしょう。
山頂へ登りきったものの、まだまだ気を緩めていない彼女の姿が浮かびます。
しばらく山頂で過ごし小屋へ戻り、小屋で預けていた重たいザックを担いで、再び来た道を下山。
前日の夜はあの道を再び歩けるか少し不安でしたが、昨日のように高山病の前触れが全くないので自信を持って歩きます。

黒部渓谷 下の廊下の十字峡へ続く、棒小屋沢
連休の中日の登山道は大賑わい。
昨日辛くって写せなかった花を、後続が詰まっていないかと一応気にしながら写します。

ハクサンシャクナゲ
種池小屋で昼食を取りますが、途中で食べたナッツでお腹が膨れて、その上冷池小屋で注文したちらしずしが冷凍してあったようでご飯がモソモソ。食欲が出ず食べれませんでした。
甘いオレンジジュースを買って、それをエネルギーの源として下山。
山頂で湧きあがる入道雲を見たので、夕立の無い間に下山をしたいとも思いますが、もともと下りの早いみかんさん、maririnさんは早い!!
柏原新道は手入れがされていますが、岩が多く気が抜ける所が無く、私は長い長い下りにヘキヘキしながら下りて行きました。
大町で二日間の大汗を流し、最後の晩は青木湖湖畔でオートキャンプを楽しみ、次の日は八方のゴンドラを使って、お手軽登山の後帰宅の予定です。
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